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企業の歴史は、経営者の決断の歴史でもある。世界に冠たる大企業もひとつひとつの決断の積み重ねの上に築かれたものであるし、逆に今後の決断ひとつで倒産の憂き目を見ることもあるかもしれない。
本書は、そんな経営者たちの「決断」に焦点を絞り、企業にとって決断がいかに重要であるかを教えてくれる。登場する人物は、盛田昭夫、本田宗一郎、松下幸之助、土光敏夫、木川田一隆、早川徳次、御手洗毅の7人。ソニーが日本を代表する国際企業に成長するきっかけを作った盛田昭夫の英断、松下の技術力を飛躍的に高めた松下幸之助のフィリップ社との提携と契約時のかけひきの妙、石川島播磨重工業、東芝、さらに日本自体の改革をも推し進めた土光敏夫の決断の数々など、興味深いエピソードが数多く収められている。
本書が経営者伝として異彩を放っているのは、重大な決断を迫られた経営者たちの心情や行動を実に生き生きと、かつ詳細に描き出していることにある。そして、松下の熱海会談のような広く知られているエピソードだけにとどまらず、彼らが経営者になる以前からすでに「決断の人」であったことを示す数多くのエピソードを紹介している点も注目に値するだろう。
読み物としても、人生訓としても楽しめる、味わい深い1冊である。(土井英司)
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